がん幹細胞研究

がんの上皮間葉転換研究 

膵がん幹細胞が含まれているスフェア

上皮間葉転換をおこした膵癌細胞(PK-8)

拡大

 人体を構成する細胞には皮膚と連続し外気と接している上皮細胞と、それ以外の骨、軟骨、血管などの間葉系細胞(非上皮細胞)が存在します。上皮細胞と間葉系細胞はそれぞれが分化した細胞で、お互いの細胞に変化することはないと考えられてきました。しかし近年、胎児の発生段階や、創傷治癒の過程で上皮細胞が間葉系細胞のような形態と性質に変化することがあることが解明され、「上皮間葉転換(じょうひかんようてんかん)」と呼ばれています。上皮間葉転換を起こした細胞は紡錘形となり、周囲の細胞との接着性が低下し移動しやすくなります。さらに、上皮細胞に発現するE-カドヘリンなどのタンパクが減少し、間葉系細胞に発現するビメンチン、フィブロネクチンなどのタンパクが増加します。
近年、がん細胞も上皮間葉転換をおこしてがんの転移や再発に重要な役割を果たしていることが報告されています。私たちは、がん幹細胞を含むがん細胞の上皮間葉転換を抑制することが新たな治療法となると考え、研究を進めています。

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